WTW Renewable Energy (再生可能エネルギー)Market Review 2023から
情報過多の世界では、正確で関連性の高いデータに基づいて、明確かつ簡潔な意思決定を行うことが求められています。口コミやソーシャルメディアのプラットフォームをチェックし、伝聞に頼るのはあまりにも簡単で、意思決定プロセスに影響を及ぼしません。一方、これは決して悪いことばかりではありませんが、「本物の」データは依然としてビジネスの成長と発展の主な原動力のひとつであるということが、現在も引き続き認識されています。保険の観点において、関連性の高いデータは、取引プロセスにおいて買手と売手にどのような影響を与えるのでしょうか?
再生可能エネルギー業界は、各国が環境に関する誓約を果たすべく尽力し続けていることから、驚異的な速度で成長を続けています。リスク・プロファイルとリスク・エンジニアリングのプロセスは、ビジネス上の重要な意思決定を行うための明確かつ実証的なデータを提供しますが、リスクの評価およびプロファイリングの際には、損害の傾向と損害率に重点を置いています。
正確で詳細な保険クレーム・データは、再生可能エネルギーの損害頻度のスナップショットだけでなく、損害がどこで、どのように、そしてなぜ発生するのかについても提供することができます。この保険クレーム・データは、保険プログラムを構成し、EML研究にとって有意義な洞察を提供するのに役立つ重要なツールとして使用することができます。
“データを情報に変え、情報を洞察に変えることがゴールです。”
Carly Fiorina | ex CEO of Hewlett-Packard
保険クレームの調査・調整過程で得られた詳細なデータは、リスク軽減のための検討材料となります。例えば、損害原因の把握、落雷防御システムの導入やアップグレード、スペアパーツや消耗品の物流管理の改善などが挙げられます。逆に、保険会社は類似のデータや損害の傾向を見て、免責レベルを決定したり、保険プログラム上より限定的なカバー範囲や補償を適用したりすることが可能です。
同様に、陸上風力発電所の損害を原因別に分類することで、技術に関係なく、損害の傾向を評価することができます。これは、自然災害(Nat Cat)や天候に関連した原因を調査する際に特に興味深いものです。
WTWの再生可能エネルギー損害データベース (RELD)が示すような自然災害起因の保険クレームは避けられませんが、それがビジネスに与える影響をコントロールすることは可能です。十分な情報を得た上で限度額や免責額を決定することによって、企業は十分な補償を確保すると同時に、保険会社への過大な出費を避けることができるのです。また、リスク最適化と呼ばれるプロセスを通じて、企業はリスク保有と保険戦略に関してより良い決定を下すことができます。
最終的には、明確で簡潔な保険クレーム・データにアクセスすることで、技術、サプライヤー、設計に関するビジネス上の意思決定に影響を与えることができます。また、保険プログラムの構成、カバー範囲のレベル、保険会社の提示条件への反論などに関する議論の形成に役立ちます。
この記事の続きは、以下よりダウンロードいただけます。
また、この記事を含むRenewable Energy (再生可能エネルギー)Market Review 2023(全105ページ)がこちらのページよりダウンロードいただけます。
タイトル | ファイルタイプ | ファイルサイズ |
---|---|---|
The power of data: using WTW’s Renewable Energy Loss Database | 1.3 MB |