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調査報告 | 企業リスク&リスクマネジメント ニュースレター

2023年グローバルサプライチェーンリスクレポート

2023年8月17日

WTWは、様々な業界の幹部クラスの意思決定者800名を対象として、各社におけるサプライチェーンリスクと課題、リスク管理のためのアプローチ、また今後のサプライチェーンの姿を理解するための調査を行いました。
Credit and Political Risk|Environmental Risks|Facultative|Marine|Property Risk and Insurance Solutions
Climate Risk and Resilience|Geopolitical Risk|Risque de pandémie

混乱からの教訓

サプライチェーンは長期にわたって拡大が続き、効率化され、世界経済を円滑に動かすマジックのようでした。より低価格の商品を届け、選択肢を拡大させ、さらなる経済成長を実現してきました。しかし、コロナ禍を受け、多くのチェーンは身動きできない状況に陥りました。

2023年においても、多くの企業は依然として、大規模なシステムの混乱から立ち直ろうとしている状況です。ウクライナ危機や南シナ海の緊張によって新たな不確実性が増す中、より強靭なサプライチェーンを構築することはますます困難な課題となっています。

各業界の対応

このように変化した環境で、企業がどのように状況を好転させようとしているかを把握するため、当社は食品・飲料から半導体まで、主要な8分野のリスクおよびサプライチェーンリーダーについて調査しました。サプライチェーンリーダーはどのように再構築を進めているのでしょうか? 直面している主な課題やリスクはどのようなものでしょうか? そして、未来のサプライチェーンはどのような姿になるでしょうか。

ネットワークを見直し、再構築する

この危機の中、ほとんどの企業が予想以上に大規模なサプライチェーンの損失に見舞われていたことが明らかになりました。その結果、大半の企業は現在、自社のサプライチェーンを見直し、複雑さとリスクを軽減し、レジリエンスを高めるためのさまざまなソリューションを検討しています。

しかし、慢性的な労働力や原材料の不足、地政学的リスクや気候リスクなどの外的要因、代替サプライヤーの不足など、企業は大きな障害に直面しています。多くの企業にとって、サプライチェーンのリンクと脆弱性をすべて十分に透明化することさえ難しい課題となっています。

しかし、このような問題に取り組み、システムの簡素化と安全性確保のための対策を講じている企業は、強靭化されたサプライチェーンによるメリットを享受しています。サプライチェーンは将来のショックに対しより高い耐性を備えている可能性があります。

このレポートでは、本サーベイの主なグローバル調査結果を取り上げています。本レポートに続き、各業界の結果を詳述した業界別のレポートを2023年に公開予定です。

主な調査結果

損失は予想以上 —しかし主に短期的

損失は予想以上 —しかし主に短期的

企業リーダーの約3分の2(65%) は、コロナ禍のコストの算出を継続しており、サプライチェーンに関連する損失が過去2年間、予想を上回っている、あるいは大幅に上回っていると回答しています。

しかし、過半数(58%) は、長期的な損失(25%) よりも、短期的な売上損失を引き起こす混乱について懸念しています。

企業はレジリエンスを高める対策を講じている

企業はレジリエンスを高める対策を講じている

コロナ禍への対応として、 65%はサプライチェーンマネジメントのアプローチを改善しています。さらに18%は完全にアプローチを変革しています。 58%は今後1年で大幅な変更を実施する予定です。

サプライヤーとの協働に重点が置かれています:53%は、サプライチェーンマネジメントを改善する絶好の機会であると評価しています。

貧弱なデータと透明性が障害に

貧弱なデータと透明性が障害に

サプライヤーが独自の知識や知的財産について懸念しており、サプライチェーンにおける十分な透明性を得ることが難しくなっているとの見方に対し、 73%がそう思う、または強くそう思うと回答しています。

このことは、 4分の3以上(77%) が、自社のリスクを理解するためのデータや知識が不足していると回答した理由の一端を説明していると言えるかもしれません。

サプライチェーンのリスクを管理するために必要なデータをすべて明確にしており、データを収集するための強固なプロセスがあるとした回答者はわずか12%でした。

企業のリスクを管理する保険ソリューションは不十分

企業のリスクを管理する保険ソリューションは不十分

89%は、サプライチェーンリスクに対応する保険が不可欠である、または何らかのカバーが必要であると考えています。一方、ほぼ同数(80%) が、保険ソリューションが十分ではないことが、今後3~5年間のリスク対応における最大の課題の一つであると回答しています。

この結果は、多くの財物保険や貨物海上保険で、欠品や遅延に起因する純粋な経済的損失が十分にカバーされていないことを反映している可能性があります。

事業中断と気候リスクは十分にカバーされていない

事業中断と気候リスクは十分にカバーされていない

サプライチェーンにおける事業中断リスクをカバーする特定の保険に加入していると回答した企業はわずか17%ですが、 53%は他の保険でカバーされていると考えています。

異常気象がサプライチェーンに与える影響について、十分な補償があると確信している回答者は25%にすぎませんでした。

経済とサイバーリスクがリスク要因の上位に

経済とサイバーリスクがリスク要因の上位に

経済の不確実性(32%) とインフレ(26%) は、サプライチェーンリスクの根底にある主要なリスク要因となっています。

サイバーリスクは、サプライチェーンに最も大きな影響を与えると考えられており、 34%は影響度が高い、 54%は中程度と評価しています。

一方、原材料(39%) 、物流・倉庫(35%) 、部品(33%) の慢性的な不足が、今後2年間で企業に影響を与えるサプライチェーンの要因の上位となっています。

リスクは企業の影響力が及ぶ範囲内にあるがコントロールされていない

リスクは企業の影響力が及ぶ範囲内にあるがコントロールされていない

サプライチェーンリスクの根本的な原因がは自社でコントロールできる範囲にあると考えている企業は半数以下(48%) でした。

しかし、 71%はサプライチェーンのリスク管理の質をコントロールできると回答しています。レジリエンスを向上させるために実施してきた取り組みが、この結果に反映されていると考えられます。

本レポートのダウンロード方法

右記のフォームにご記入、送信いただくと登録いただいたメールアドレス宛に担当者よりダウンロードページへのリンクをお送りします。そちらのページより、本レポート(日本語:全28ページ)をダウンロードいただけます。

なお、保険会社様、競合他社、弊社としてお取引しかねるお客様、個人事業主様のご登録はご遠慮いただいております。予めご了承ください。

*本レポートの内容、テキスト、画像等の無断転載・複製・印刷・配布を固く禁止いたします。

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