グローバル食品・飲料・農業リスクレポート2024

概要

食品・飲料・農業業界は、今後数年間にわたる困難な課題に直面しています。土地資源が減少し、天候が極端に悪化する中で、食品・飲料生産が環境に与える影響を軽減しながら、増え続ける世界人口に食料を供給しなければならないのです。

地政学的緊張とインフレの圧力はこうした課題をさらに深刻化し、業界が原材料価格と入手可能性の変動の影響を受けやすいことを浮き彫りにしています。

このような不安定さは、資源に依存するセクターのサプライチェーンを混乱させる恐れがあり、逆境を克服することに慣れている業界にとっても手ごわい障害の数々をもたらすでしょう。

第2回目となる当社の食品・飲料・農業に関するグローバル調査では、400人の幹部クラス意思決定者を対象として、この進化しつつある状況を彼らがどう認識しているのか、見識を深めました。彼らが考える主要なリスクと機会は何でしょうか？　気候変動に関連する課題にどのように取り組んでいるのでしょうか？　リスク軽減と将来計画のためにどのような戦略を採用しているのでしょうか？

“

我々の調査結果は、エスカレートする外部からの脅威が、政治、気候、サイバー、労働力の領域にわたって、企業全体の不安定さのリスクを高めていることを明らかにしています。”

Randi Harwood | Senior Director, Global Client Advocate

当社の調査結果は、エスカレートする外部からの脅威が、政治、気候、サイバー、労働力の領域にわたって、企業全体の不安定リスクを高めていることを明らかにしています。

その結果、潜在的な混乱に対する懸念が高まり、流動性と事業の安定性が当面の焦点となっています。

とはいえ、このセクターは、来るべき課題に適応するための回復力(レジリエンス)を示しています。大半の企業は、持続可能性イニシアチブを取り入れ、気候変動へのレジリエンスと事業継続性をリスク管理の枠組みに取り入れています。

本調査について

本調査は2024年1月、当社パートナーのColeman Parkes researchにより、電話インタビューとウェブ上の調査フォームを組み合わせて実施されました。 欧州、米国、アジア太平洋、中南米に拠点を置く食品・飲料関連企業の幹部クラス意思決定者400名から回答を得ました。

主な調査結果

懸念の大半は混乱： このセクターの主要な焦点は、混乱を緩和することにあります。事業中断とサプライチェーンの問題が内部リスクの上位を占め、世界的な不安定さが潜在的な混乱に対する懸念を悪化させています。

サステナビリティと健康が成長の原動力：サステナビリティ、健康、ウェルネスを取り入れることは、消費者の優先順位を反映し、大きな機会をもたらします。企業はこれらの分野が成長の鍵になると予測しており、53％が今後2年間の主要な機会と捉えています。

気候変動が主要な環境リスク： 気候変動は最も重大な環境脅威であり、71％の企業が最重要リスクと認識しています。洪水や干ばつなど、気候に関連する気象現象の影響は、このセクター全体でますます大きくなっています。

事業回復力(レジリエンス)への注目の高まり：破壊的な力に対する事業のレジリエンスを構築することが重視されつつあり、食品・飲料企業の47％が事業継続計画（BCP）を半年ごとに、31％が四半期ごとに見直しています。

こうした積極的なアプローチは、不確実性を効果的に乗り切るうえでの準備の重要性への認識を反映しています。

リスク管理を複雑にしている外部要因：外的経済要因、地政学的緊張、規制負担がリスク管理戦略に大きな課題をもたらしています。

52％の企業が経済的要因を挙げ、48％が地政学的緊張を指摘しています。こういった複雑な要因は、不確実な世界情勢における強固なリスク軽減プランの必要性を浮き彫りにしています。

本レポートの活用法

本レポートにおける洞察を食品・飲料・農業ビジネスに活用するには：

1. 包括的なリスク評価の実施： サプライチェーンの混乱、技術の進歩、規制の変化など、業界特有の潜在的リスクを分析することから始めます。この評価は、十分な情報に基づいた意思決定の基盤を形成します。
2. 積極的なリスク軽減戦略の実施： 本レポートで概説された戦略を活用し、特定されたリスクを効果的に軽減します。サイバーセキュリティ対策を強化し、サプライチェーンのレジリエンスを強化し、進化する業界規制へのコンプライアンスを徹底することで、貴社の業務を守ります。

3. 保険適用範囲の最適化： 現在の保険契約を見直し、補償のギャップを特定します。食品・飲料・農業セクターにおける潜在的な課題や不確実性に対応できるよう保険ポートフォリオを調整し、貴社のビジネスに包括的な保護を提供します。
4. 新たなトレンドをモニターする： 業界内の新たなトレンドや動向を常に把握します。進化する市場のダイナミクスに合わせてリスク管理戦略を継続的に適応させ、ビジネスが変化に俊敏に対応できるようにします。
5. リスク意識文化の促進： 本レポートの主要な洞察を関係者と共有し、組織内にリスク意識と積極的リスク管理の文化を醸成します。すべての階層にわたってレジリエンスを高めるために、協力と知識の共有を奨励します。
6. 業界標準とのベンチマーク：　貴社のリスク管理プラクティスと業界のベンチマークや同業他社と比較します。改善点を特定し、ベストプラクティスを実施することで、競争力とオペレーショナル・エクセレンスを維持します。

本レポートの洞察を活用することで、組織のレジリエンスを強化し、成長機会を活用し、食品・飲料・農業業界のダイナミックな状況を自信と適応力を持って乗り切ることができます。

食品・飲料・農業業界における、よりスマートなリスク管理方法について専門家のガイダンスをご要望の場合は当社までご連絡ください。

免責事項

WTW は、WTW が事業を展開する各国で、適切なライセンスと認可を受けた会社を通じて保険関連サービスを提供しています。お客様の国で事業を展開しているWTW法人の認可と規制の詳細については、WTWのWeb サイト を参照してください。当社が現地のライセンス要件を考慮することは、規制上の要件です。

本レポートのダウンロードの方法

右記のフォームにご記入、送信いただくと登録いただいたメールアドレス宛にダウンロードページへのリンク含むメールが送られます。そちらのページより、本レポート（日本語：全30ページ）がダウンロードいただけます。

なお、競合他社、弊社としてお取引しかねるお客様、個人事業主様のご登録はご遠慮いただいております。予めご了承ください。