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『世界トップ100のアセット・オーナー』の調査レポートを発表:トップのアセット・オーナーの23兆ドルがネット・ゼロを実現するための真の鍵。

2021年12月15日

ウイリス・タワーズワトソンのインベストメント部門は、世界トップ100のアセット・オーナーの調査レポートを発表しました。
Investments
Climate Risk and Resilience
  • 23兆ドル以上の資産が世界トップ100のアセット・オーナーに集中しており、世界で最も影響力のある資本となっています。
  • 主要なアセット・オーナーは、投資業界に変革をもたらす力を持ち、ネット・ゼロへの道筋とその鍵を握っています。
  • これらの投資家がシステム・リーダーシップ思考*1とユニバーサル・オーナーシップ思考*2に影響を与える必要性が増しています。

【プレスリリース/東京】  2021年12月15日(水) – 世界有数のグローバルカンパニーであるウイリス・タワーズワトソン(NASDAQ:WLTW)のインベストメント部門は、世界トップ100のアセット・オーナーの調査レポートを発表しました。シンキング・アヘッド・インスティテュート(※ウイリス・タワーズワトソンのインベストメント部門の関連組織)の新たな調査によると、世界トップ100のアセット・オーナーの資産総額は、昨年から16.4%増加し、23.5兆ドルに達しました。このうち年金基金が世界最大のアセット・オーナーのグループとして58.4%を占め、次いで政府系ファンド(34.5%)、アウトソースCIO(OCIO)・マスタートラストの合計(7.1%)が続きます。

シンキング・アヘッド・インスティテュートの共同創設者であるロジャー・アーウィンは述べています。

「この比較的少数の投資家が“ネット・ゼロ”を実現する投資コミュニティの闘いの最前線におり、その力は約13兆ドルを有するトップ20の組織に更に集中しています。 」

本調査によると、ネット・ゼロ・コミットメントの認定を受けている組織は、上位20社のうち3社、上位100社のうち14社のみとなっています。

ロジャー・アーウィンは続けます。「GFANZ(グラスゴー・ファイナンシャル・アライアンス・フォー・ネット・ゼロ)に参加する組織による誓約は非常に重要ですが、真の鍵を握っているのは世界最大級のアセット・オーナー達です。彼らの資本配分、オーナーシップの力、その波及的効果は、ネット・ゼロへの道筋の扉を開く上で重要です。しかし、サステナブル投資とネット・ゼロへの道筋の複雑さと困難をうまく管理するために、アセット・オーナーはガバナンスと投資の洗練性を高める必要があります。グラスゴーで行われたCOPサミットでは、システム全体の長期的な成果を上げるために、より幅広いコラボレーションの枠組みの一部として、いかにアセット・オーナー達が協力できるかが強調されました。」

本調査によると、気候変動問題の規模と相互関連性を認識したシステム・リーダーシップ*1の慣行を開発することが、必要とされるイノベーションと集団的なアクションを支えることになるとしています。しかし、それにはアセット・オーナーは、受託者基準の狭義の解釈など既存の慣行を維持しようとする多くの障害に向き合い、克服する必要があります。

ロジャー・アーウィンは述べます。「本調査でいくつかのアセット・オーナーのグループは、ガバナンス、投資、サステナビリティの各モデルを成熟化させ組織の目的を刷新することにより、これらの障害を克服しようとしていることが明らかになりました。その一環として彼らは差し迫った変革に備えてイノベーションを起こす力を構築していますが、他のアセット・オーナーはこのことに留意すべきでしょう。」

今回の調査では、アセット・オーナーが取り組むべき以下のような重要なテーマについても取り上げています。

  • 基金・投資家が投資モデルの変更を迫られる、将来の期待リターンの低下
  • 解決すべき大きな課題となりつつある、広範なステークホルダー・マネジメント
  • 外部の資産運用会社ネットワークへの依存度の低下
  • 特にESGやスチュワードシップにおいて実務慣行に影響を及ぼす要因としての規制強化
  • 膨大なデータを付加価値のある知的資本に変換するための強固なテクノロジー基盤の構築

ウイリス・タワーズワトソンのインベストメント部門の日本のリーダーである木村倫啓は次のように述べています。

「将来の期待リターンの低下は、世界の投資家に共通する課題です。金利が最低水準になっているため、ポートフォリオをより働かせる必要性が生じています。同時に、サステナビリティの対応については単なる概念ではなくその実践に課題がシフトしており、日本でもその動向を無視することはできません。アセット・オーナーが直面している課題は非常に幅広く、また進化し続けています。アセット・オーナーが対応しなければならない課題が非常に多いため、リソースが逼迫することも懸念されます。将来の課題にいかに対応していくかについて、明確な戦略とマインドセットの変化の必要性がかつてないほど高まっています。」

ロジャー・アーウィンは述べます。「今はアセット・オーナーにとって決定的な瞬間であり、決断の時です。アセット・オーナーは、自らの役割範囲を狭めたまま留まることもできますが、システム・リーダーシップ*1の思考を持って、ネット・ゼロに則した資本の激流を解き放つ活気のある業界的役割を果たすこともできます。」

注記

*1システム・リーダーシップ思考:すべてのものがつながり行動が重要であることを理解することにより、それが主に共同作業や共通の問題に対する共同解決策を見つけるためのより大きな努力に表れること。組織が、狭い視野を超えて、より広範で相互に関連したエコシステム(生態系)を認識し、協力して活動すること。

*2ユニバーサル・オーナーシップ思考:すべてのステークホルダーの利益のために、より良いベータ(市場)の開発を中心とした投資システムの改善に熱心に取り組むこと。


シンキング・アセット・インスティテュートによる「アセット・オーナー」の定義:

  • 定義された受益者/貯蓄者/投資家のグループのために、委任された責任のもと、受託者の立場で(忠誠心と慎重さを持って)資産の管理者として直接働く
  • 通常、政府またはその一部、企業、非営利団体といったスポンサー組織と協働する
  • 明示的な法律の範囲内で活動し、社会的な信頼と正当性により、活動するための暗黙の社会的ライセンスを持っている
  • 使命に応じた成果を、様々な給付や便益の形で受益者や利害関係者に提供する

シンキング・アヘッド・インスティテュートについて

シンキング・アヘッド・インスティチュートは、2015年1月に設立された非営利の運用調査及びイノベーションのためのグローバルな会員グループであり、運用業界を最終受益者の利益のために改善及び変化させていくことに取り組んでいる機関投資家のアセット・オーナー及びサービス・プロバイダーから構成されています。世界中に45のメンバーがおり、2002年に設立されたウイリス・タワーズワトソンのシンキング・アヘッド・グループをその前身としています。

ウイリス・タワーズワトソンについて

ウイリス・タワーズワトソン(NASDAQ:WLTW)は、企業に対するコンサルティング業務、保険のブローカー業務、各種ソリューションを提供する業務における、世界有数のグローバルカンパニーです。企業の持つリスクを成長の糧へと転じさせるべく、各国で支援を行っています。その歴史は1828年にまで遡り、現在は世界140以上の国と地域そしてマーケットに45,000人の社員を擁しています。 私達はリスク管理、福利厚生、人材育成などの様々な分野で、企業の課題に必要な解決策を考案・提供し、企業の資本効率の改善や、組織と人材の一層の強化を図ります。また『人材』『資産』『事業構想』の密接な関係性を理解し、企業を業績向上へと導きます。 ウイリス・タワーズワトソンは、お客様と共に企業の可能性を追求して参ります。

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