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メディア

世界の年金資産総額が56兆ドルの新記録に達する

2022年3月28日

シンキング・アヘッド・インスティテュートの「グローバル年金資産調査」の最新の数字によると、世界の主要22年金市場における機関投資家の年金資産は、2021年末までに56.6兆米ドルとなり、新記録を達成しました。
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  • 世界の年金基金の資産保有額は56兆ドルを超え、10年間で倍増した。
  • 確定拠出年金(DC)は、今や主要な年金市場の資産の54%を占めた。
  • 国別にみると、世界の年金資産総額のうち、米国が62%と最大のシェアを占め、次いで英国6.8%、日本6.5%と続いている。

【プレスリリース/東京】2022年3月28日(月)– 世界有数のグローバルカンパニーであるWTW(NASDAQ:WTW)のインベストメント部門は、グローバル年金資産調査結果を発表しました。WTWのインベストメント部門の関連組織であるシンキング・アヘッド・インスティテュートの「グローバル年金資産調査」の最新の数字によると、世界の主要22年金市場(以下、P22)における機関投資家の年金資産は、2021年末までに56.6兆米ドルとなり、新記録を達成しました。この記録は、世界の年金資産が初めて50兆ドルの大台を超えた前年の52.9兆ドルから、2021年のP22における資産が前年比6.9%増となったことに伴うものです。

2021年も引き続き増加したことで、世界の年金資産は2011年の29.3兆ドルから、この10年間で約2倍になりました。

地理的にみると、このような資産額の成長は主に英国圏の国々が牽引しています。同期間において、年金資産(米ドルベース)は、オーストラリアで11.6%、米国で8.5%、英国で7.7%増加しました。一方、日本の年金資産が1.1%減少したため、英国は日本を抜いて第2位の年金市場となりました。

また、新しい年金モデルも要因の一つで、特に確定拠出年金(DC)が力強い成長を見せています。2020年に主要7年金市場で史上初めて資産の50%のシェアを突破したDC年金は、2021年を通じて着実に上昇を続け、現在は54%に達しています。

年金資産は比較的小さな国でも増加していますが、年金市場の集中度は高まっています。新たな2021年のデータによると、米国は年金基金だけで35兆ドル有しておりP22全体の62%を占めています。米国のシェアは2011年当時の52%から相当高まっています。次いで英国が3.8兆ドルで6.8%、日本が3.6兆ドルで6.5%を占めました。

主要7年金市場(P7)であるオーストラリア、カナダ、日本、オランダ、スイス、英国、米国の合計はP22全体の92%となっており、前年から変化はありません。

また、年金資産は経済的産出量に比べて大幅に増加しています。P22の年金資産は、それら諸国のGDP合計に対して過去最高を記録し、2021年末にGDPの76.3%相当に達しました。

国別にみると、年金資産の対GDP比率は、オランダが最も高く(213%)、次いでオーストラリア(172%)、カナダ(170%)、スイス(157%)、米国(153%)、英国(124%)と続いています。この比率は、市場の評価額、資産配分、年金の流入など、さまざまな要因を反映していますが、年金資産の成長が近年の各国の経済的成長を大きく上回っていることを示しています。

過去10年で、年金資産の対GDP比率の高まりは、オランダが最も大きく(+94%)、次いでオーストラリア(+79%)、スイス(+64%)、米国(+54%)となっています。

シンキング・アヘッド・インスティテュートの共同責任者であるマリサ・ホールは次のように述べています。
「年金は多くの国で財政面での充実化が図られていますが、同時に金融市場の価値上昇の影響を受けています。過去10年間で年金資産がほぼ2倍になったことをみると、世界の老後の希望に対する極めて高い評価額が、課題と好機をもたらしうることは明らかです。高い評価額は財政的な安全性を意味すると同時に、将来の資産配分に関して難しい問題を提起しています。このような高い評価額は、リターンを維持するために、多くの年金制度に伝統的な資産クラスを超えて検討し続けることを促すでしょう。」

「また、持続的な成長のための投資は、今後数十年の間にさらに微妙な問題になっていきます。将来10年間で資産を倍増させるためには、世界の年金制度は、世界的な炭素経済の持続不可能性と向き合い、新たな想像力をもって収益源泉の基礎を見直す必要があります。この最も険しい脱炭素化の10年に加えて、他の長期的な課題も存在します。世界的パンデミックの後、インフレ圧力、サプライチェーンの問題が相まって、欧米のサービス経済に新たな課題が生じており、21世紀のビジネスの社会的責任が改めて問われています。」

マリサ・ホールは続けます。「年金の専門家も構造的な変化に直面しています。世界のほとんどの年金市場においてDC年金が将来的に主流になると思われ、規制の圧力、情報へのアクセスの容易さ、オープンな投資決定に対する最終受益者の要求は高まっています。年金業界にいるリーダーたちは、今日の経済的、財政的、制度的な分岐点を超えて新たな展望に向けて舵取りする中で、多くの課題に直面すると同時に新たな投資機会にも恵まれるでしょう。」

WTWのインベストメント部門の日本のリーダーである木村倫啓は次のように述べています。
「脱炭素化の動向を含め今後の10年を見据えると、規制当局やステークホルダー、社会からの要求がますます高まり、 企業やアセットオーナーには、持続可能性に関連した行動をより明確にすることが求められ、より高いレベルの説明責任が課せられていくでしょう。足元では、金融政策の転換など、過去数年間市場に高いリターンをもたらしてきた背景も変化しています。変化する市場と経済環境に適応し、かつ、長期的な壮大な目標を達成していくために、多くのアセットオーナーにおいて、より充実したガバナンスや投資の実行体制が求められています。」

注記:

  • 「P22」は世界の主要22年金市場を指します。オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、中国、フィンランド、フランス、ドイツ、香港、インド、アイルランド、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、南アフリカ、韓国、スペイン、スイス、英国、米国の22か国が該当します。
  • 「P7」は世界の主要7年金市場を指します。オーストラリア、カナダ、日本、オランダ、スイス、英国、米国の7か国が該当します。
  • すべての数値は四捨五入されており、2021年の数値は推定値です。
  • 参照されているすべての日付は暦上の年末基準を意味します。
シンキング・アヘッド・インスティテュートについて

シンキング・アヘッド・インスティチュートは、2015年1月に設立された非営利の運用調査及びイノベーションのためのグローバルな会員グループです。持続可能な将来のために資本を活用していくことに取り組んでいる機関投資家のアセット・オーナー及びアセット・マネジャーから構成されています。世界中に55以上の会員がおり、2002年に創設されたWTWのインベストメント部門のシンキング・アヘッド・グループをその前身としています。

WTWについて

WTW(NASDAQ:WTW)は、人材、リスク、資本の分野において、データ主導、インサイト主導のソリューションやコンサルティングを提供する世界有数のグローバル・カンパニーです。世界140の国及び地域で活動する社員が有するグローバルな視点とローカルな専門知識を活用し、お客様の企業が戦略を磨き、組織の耐性を高め、社員のモチベーションを上げ、パフォーマンスを最大化できるよう支援しています。

WTWは、お客様と一緒になって、持続可能な成功のための機会を見出し、お客様の心を動かす視点を提供して参ります。

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