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メディア

アジア・太平洋地域における役員報酬へのESG指標の反映、主要企業の77%

昨年比14ポイント増加、WTW 調査結果

2024年2月15日

Executive Compensation
ESG In Sight

【プレスリリース / 東京】 2024年2月15日(木) -- 世界をリードするアドバイザリー、ブローキング、ソリューションのグローバルカンパニーであるWTW(NASDAQ:WTW)は、役員報酬のKPIとしてESG指標を採用する企業の状況等について、アジア・太平洋地域(APAC)の各市場における主要インデックス構成企業352社を対象とした調査を実施しました。

※ 調査対象企業352社のうち、264社が役員のインセンティブ・プランで使用しているKPIを開示していた。欧米と比べて、APACにおける情報開示は限定的で、4社に3社程度しか開示されていない。

《 調査結果ハイライト 》 
  • APAC全体で、役員のインセンティブ・プランにおけるESG指標の採用が増加しており、2023年は調査対象企業の77%が採用(2022年の63%から14ポイント増加)
  • APAC主要7カ国(オーストラリア、中国、香港、インド、日本、マレーシア、シンガポール)の企業を対象に調査を実施した結果、ESG指標の使用には地域間で大きな格差がみられた
    • オーストラリア、日本、シンガポールでは普及率が高く、欧米企業に匹敵する。APACの他の地域では、役員報酬に関する情報開示が限定的であり、ESG指標の普及率も相対的に低い傾向にあった。
Figure 1: 役員のインセンティブ報酬におけるESG指標の採用割合(APAC 2023年調査)
(n = number of companies and those that disclose information about the use of metrics)
市場 役員報酬におけるESG指標の採用割合
APAC 平均 (n = 264) 77%
オーストラリア (n= 100) 86%
中国 (n = 7) 29%
香港 (n = 11) 55%
インド (n = 9) 56%
日本 (n = 100) 72%
マレーシア (n = 8) 63%
シンガポール (n = 30) 93%

※日本における調査結果の詳細は2023年10月11日付プレスリリース参照

  • 短期インセンティブ(STI)と長期インセンティブ(LTI)の両方で、ESG指標の採用増加傾向が見られたが、STIでの採用傾向が強い
    • APACでは、約3分の2の企業がSTIプランに少なくとも1つのESG指標を使用しており、前年から15%増加した。一方、約3分の1の企業がLTIプランにESG指標を組み込んでいる。
  • ESG指標のなかでも、社会(S)指標の採用が、顕著な伸びを示している
    • 前年と比べ、環境(E)指標の使用率は28%から39%へ、社会(S)指標は47%から60%へ、ガバナンス(G)指標は31%から36%へ上昇した。
  • 社会(S)指標においては、「人的資本」指標の採用割合が最も高く、57%の企業が役員のインセンティブ・プランに含めている。
    • 特に、従業員エンゲージメントをはじめとした人材指標が最も多く採用されており、次いでインシデントの最小化等の安全関連指標が多い。
  • 環境(E)指標では、CO2やGHG排出量の削減を掲げる企業が最も多かった。
《 コメント 》 

WTW経営者報酬・ボードアドバイザリープラクティス
アジア・太平洋地域リーダー Zhu Xujing

APACにおけるESG指標の採用は、各国の開示規制の水準に大きく影響される。オーストラリア、日本、シンガポールは、役員報酬開示やESG指標の組み込みにおいて、APAC市場をリードする存在となっている。中国、香港、インド、マレーシアでは情報開示があまり進んでいないが、一部の先進的な企業がマテリアリティを特定し、ESG課題への取り組みを加速させている。

2022年は、消費財、エネルギー、金融、公益事業セクターの企業が、他業界よりもESG指標を採用する傾向が強かった。2023年は、エネルギーや産業セクターに加え、不動産や通信サービスでもESG指標の採用が顕著に増加している。

WTW経営者報酬・ボードアドバイザリープラクティス
グローバルリーダー
マネージング・ディレクター Shai Ganu

“ESGを含むサステナビリティに係る優先課題への取組みが、企業の持続的・長期的な価値創造をどのように促進するのか”、機関投資家は引き続き強い関心を持っている。また、APAC全体において、ESG関連情報の開示と先進的なサステナビリティ慣行に対する市場からのプレッシャーは、ますます高まっている。

役員のインセンティブ・プランにESG指標を組み入れることは、株主を含む全てのステークホルダーの利益との整合性を確保するための重要な手段であり、引き続き、報酬委員会における主要テーマとなっている。

WTWについて

WTW(NASDAQ:WTW)は、企業に対し、人材、リスク、資本の分野でデータと洞察主導のソリューションを提供しています。 世界140の国と市場においてサービスを提供しているグローバルな視点とローカルな専門知識を活用し、企業戦略の進展、組織のレジリエンス強化、従業員のモチベーション向上、パフォーマンスの最大化を支援します。

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