WTW調査結果
【プレスリリース / 東京】 2025年3月13日(木) -- 世界をリードするアドバイザリー、ブローキング、ソリューションのグローバルカンパニーであるWTW(NASDAQ:WTW)は、役員報酬の算定に資本収益性(ROE、ROIC)や株価に関する指標(株主総利回り(TSR)、株価・時価総額、PBR/PER)を採用する企業の状況について、TOPIX100構成企業を対象とした調査を実施しました。
資本収益性指標採用企業のうち、6割強の企業が具体的なKPIとしてROEを選定しており、3割弱がROICを、残りの1割はROEとROICの両方を選定している。評価の反映先は長期インセンティブ(LTI)の方が多く、短期インセンティブ(STI)に反映する企業の2倍近い
株価指標採用企業のうち、9割近くの企業が具体的なKPIとして株主総利回り(TSR)を選定しており、その他企業では株価や時価総額による評価を実施している。TSR選定企業は全て、LTIのKPIとして採用している。
コーポレートガバナンス・コードが施行されて以降、中長期的な企業価値の向上を目的として、資本収益性や株価に関する指標を役員報酬のKPIとして選定する企業が徐々に増えている。WTWが毎年実施している大手日本企業300社超に対する調査においても、ROEやROICは長期インセンティブにおけるKPIとして最も多く活用されており、次いで、TSRを中心とした株価指標が2番目に多く活用されている。
東京証券取引所は、役員報酬制度に対して投資者が期待するポイントとして、「中長期的な企業価値向上のインセンティブとなる役員報酬制度の設計を行う」ことを挙げている。また、具体的な投資者の評価ポイント(事例)として、例えば、富士通の役員報酬制度に関し、「役員報酬の⾒直しによって、投資者が重視するTSR等の指標との連動が強まるなど、企業価値向上に向けた経営陣の強いコミットメントを感じる。」とコメントしている※1。
日本企業の役員報酬は、欧米企業の影響を受けて高額化が進んでいる。しかし、株主総利回り(TSR)のような株価指標の採用割合は、欧米企業と比較するとまだ低い状況にある(米S&P500や欧州主要インデックス構成企業の6~7割が株価指標を採用)。投資家や規制当局からのプレッシャーもあり、今後、TSR指標を採用する企業が増加する傾向は続くと予想される。
ディレクター 宮川 正康
コンサルタント 市川 晋平
リードアソシエイト 板東 季彩
WTW(NASDAQ:WTW)は、企業に対し、人材、リスク、資本の分野でデータと洞察主導のソリューションを提供しています。 世界140の国と市場においてサービスを提供しているグローバルな視点とローカルな専門知識を活用し、企業戦略の進展、組織のレジリエンス強化、従業員のモチベーション向上、パフォーマンスの最大化を支援します。
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