客観的・専門的サービスの提供により、確定拠出年金(DC)制度の運営をサポートします。
DC制度を実施している事業主にとって、DC制度は従業員が自ら運用の責任を負う制度であるため、確定給付型の制度と比較して財務リスクは小さいというメリットがあります。その一方で事業主は従業員が適切に資産運用を行うことができるよう適切なガバナンス体制のもとで制度運営することが求められます。
世界に目を向けてもDC制度のガバナンスの向上は最優先事項となっています。例えばアメリカでは401kプランに関する厳格な受託者責任“Fiduciary Duties”が求められますし、イギリスではDC制度への自動加入が義務付けられたことを契機にガバナンスへの意識が高まっています。同様に日本でも2016年の法改正により、資産運用の選択に関する改正や事業主による運営管理業務の評価が努力義務化されるなどガバナンス向上に関する施策が進められています。
事業主はDC制度を多角的な視点で管理することが肝要です。WTWはDC制度運営に関する包括的なガバナンスフレームワークを通じて、制度設計から継続的なモニタリングまでに至るプロセス全体を通じて、DC制度を実施する企業の適切なガバナンス構築・運営をサポートします。
WTWでは、以下のような、一連のサービスを業界に先駆けて開発・提供してまいりました。
1. DC制度の導入・制度変更のサポート
新しい退職金制度の導入や既に実施中である制度の見直しを検討している企業にとって、DC制度の導入や制度変更が候補となる可能性があります。 WTW は、制度設計および実施までのプロセスを通じたサポートに関する豊富な経験を有しています。
【WTW サービスの特長】
- お客様のニーズに合った退職金制度を設計し提案いたします。
- WTW独自のデータベースであるBDS(福利厚生調査)による制度内容や退職金水準のベンチマークを提供します。
- 労使同意のための従業員に対する制度説明、DC投資教育を含む広範なフィナンシャルセミナーなど、従業員コミュニケーションに関する計画立案をサポートします。
- 2024年12月から適用される他制度掛金相当額によるDC制度の掛金限度額への影響(iDeCoへの影響も含む)の分析やそれに対する対応策を提案いたします。
2. 運営管理機関の選任・モニタリングサービス
DC制度を導入する際、事業主は複数の候補の中から、そのサービスレベルを比較・適正な評価を行った上で、運営管理機関を選任するよう義務付けられています(取引・資本関係等をベースに選任することは禁じられています)。
また、既にDC制度を導入されている事業主においても、少なくとも5年ごとに、運営管理機関が実施している運営管理業務について評価・委託内容の検討を行い、必要に応じて変更を行うよう努めることが2016年の法改正によって求められるようになりました。 DC制度は加入者が主役の制度であり、加入者向けサービスを基準に選任することが第一です。しかし、その内容は多岐にわたり、企業規模や就労形態・従業員構成によって各項目の重要性は変わってきます。また、運営管理機関が提供する事業主向けサービスの水準や運営管理機関としての実績・将来性などにも配慮する必要があります。WTW では、こうした複雑な要素を考慮に入れ、お客様にとってベストな運営管理機関を選定することをお手伝いします。
【WTW サービスの特長】
- 運営管理機関を評価するクライテリアを明確に提示し、プレゼンテーションで重視すべきポイントを事前に共有します。
- 独自のノウハウでプレゼンテーションを構成し、各運営管理機関の実力を浮き彫りにします。
- お客様にとって重要なサービスをウエイティングし、ディスカッションをファシリテートしてご満足いく最終選任に導きます。
3. 運用商品の選定・モニタリングサービス
運用商品の選定権限は、DC法上、第一義的には事業主にあります。そして、同法は加入者等の利益だけを考えて運用商品を選定するように定めています(取引・資本関係等をベースに商品選定することは法令で明確に禁じられています)。運用商品の選定を運営管理機関に任せると、グループ会社の商品が優先的に組み込まれたり、運用商品数が増えたりするケースがあります。商品数が多くなると、元本確保型商品に資金が集中し、想定利回りを達成できない加入者が多くなってしまうなどの指摘がなされています。
日本のDC制度における運用商品数は欧米と比較すると多く、近年更に増加傾向にありますが(米国では継続的に減少傾向)、選択肢の多さや複雑性が投資や運用商品の理解に対する意欲を阻害していないかを考慮する必要があります。
[出所] 日本:企業年金連合会(確定拠出年金実態調査結果2021年度決算)
米国:WTW (DC Plan of Fortune 100 employers, 2020 plan year)
また、DC制度導入時にベストであると判断して選定した商品も、時間の経過とともに状況が変わります(運用会社の組織変更、新商品の登場、信託報酬の引き下げ等)。そこで、パフォーマンスを定期的にチェックし、加入者に対していい商品が提供されているかを継続確認し、必要に応じて入れ替えをすることが事業主には求められます。
日本のDC制度においては「運用商品を追加する見直しは多いが、除外する見直しは少ない」という米国とは逆の傾向となっていて、属性の似た運用商品が複数存在するなど加入者に分かりにくいラインナップになっているケースもあります。
-運用商品追加を検討・追加済み: 日本41%, 米国15%
-運用商品除外を検討・除外済み: 日本7%, 米国41%
-見直しの予定はない:日本56%, 米国44%
-その他: 日本3%, 米国0%
[出所] 日本:企業年金連合会(確定拠出年金実態調査結果2021年度決算)
米国:WTW (2017 DC Plan Sponsor Survey)
WTWでは、専門的・客観的見地から事業主の運用商品選定やモニタリングをサポート致します。
【WTWサービスの特長】
(運用商品選定)
- 真に中立的な立場から加入者の利益になる最適な商品選定のアドバイスを行います。
- 商品選定に対する明確な哲学を持ち、豊富なデータベースをもとに、各企業様の実情に応じた商品ラインナップを構築します。
- 指定運用方法(デフォルトファンド)については、お客様の従業員構成・投資教育への取組などを考慮して、最適な商品群をご提案します。
(モニタリング)
- お客様が採用しているラインアップの商品をユニバースと比較して位置づけを確認します。
- 純粋なパフォーマンス分析にとどまらず、リスク調整後のリターン、手数料との相関関係など、多面的な分析を提供します。
- 分析結果を踏まえ、必要に応じて商品ラインナップの見直しをご提案いたします。
4. DC制度のガバナンス体制に関するサポート
DC委員会等を設置し、運営管理機関や運用商品のモニタリングを含めたDC関連の項目を定期的かつ包括的に確認していくことが望ましいと考えます。日本では、このような取り組みを行っている企業はまだ少ないようですが、米国では一般的であり、DC関連のコスト削減等の成果に繋がっています。
-変更なし: 2014年22%, 2017年32%
-運営管理機関の変更: 2014年14%, 2017年13%
-運営管理機関サービスの向上: 2014年30%,2017年22%
-運用報酬の削減 2014年40%, 2017年34%
-運営管理機関の費用削減: 2014年59%, 2017年48%
[出所] WTW (2017 DC Plan Sponsor Survey)
【WTWサービスの特長】
- 委員会設置に際し、委員会の設置目的や役割、委員会メンバー、意思決定プロセス等を定めた委員会規約の作成をお手伝いします。
- 委員会の議題の設定およびアクションプランの提案、ファシリテーション、議事録の作成等、委員会運営のサポートをします。