なぜEVPがもとめられるのか?
従業員が会社に求めるものは大きく変わっています。単に労働力の対価として会社が報酬を支払えばよい時代は終わりました。従業員は「会社が自分の人生にどんな価値を提供してくれるのか」、「より人生を豊かにするためにどんな体験を提供してくれるのか」を知りたがっています。それらを明文化したEVPは「Employer of Choice(選ばれる企業)」になるための重要なコミュニケーションツールです
※EVPが求められる理由については、こちらの記事もご参照ください。
EVPとは何か?
- EVPは会社が従業員に提供できる価値と体験を明文化したものです。言い換えれば、望ましい従業員体験のグランドデザインのようなものであり、EVP起点で従業員体験を向上させるための施策やコミュニケーションに繋げていくことが望まれます
EVPがあると何が良いのか?
- 弊社の調査では、優れた財務パフォーマンス、優れたEVP、従業員体験の間に直接的な相関関係が示されています
- 高い従業員エンゲージメント
- よりよい組織文化の形成
- 高い従業員ウェルビーイング
- 高い利益率・成長性
- 低い退職率
【よくある課題と解決策】
- 課題①:人材獲得競争が激しくなり、質・量とも満足いく人材の確保ができていない
解決策:求職者ニーズの分析に基づくEVPの策定。EVPに基づいた人材・採用戦略の見直し、人事施策への反映
- 課題②:離職率が高止まりしており、優秀人材の退職に歯止めがかからない
解決策:従業員ニーズの分析に基づくEVPの策定。EVPに基づいた金銭・非金銭報酬の見直し
- 課題③:複数の会社が統合後、組織としての一体感が生まれず、期待したシナジーが発現しない
解決策:PMIフェーズにおける企業文化統合対応。その後、共通EVPの策定と新人事制度への反映
【過去のご支援事例(一部抜粋)】
- エンターテインメント企業:
「Employer of Choice(選ばれる企業)」になるために、従業員の期待の明確化や現状の分析を通じ、WTWのフレームワークを活用してEVPを策定。EVPを軸に、よりよい従業員体験の提供に向けたロードマップを策定し、具体的な施策立案・実行のインプットとして活用 - グローバル製造業:
人材獲得のライバルが増えている中で、採用の競争力向上を志向。(競合他社だけでなく、インパクトかつ明確な価値を打ち出すスタートアップもライバルに)そこで、現状制度の分析や従業員の声の丁寧なヒアリングを通じた深いインサイトから、人間的でストーリー性のあるEVPを策定。EVPをベースに、様々な社内外のコミュニケーションに活用
【WTWのEVPフレームワーク】
WTWのEVPのフレームワークでは、5つの要素に焦点をあてることで、効果的なEVPの策定を支援します。
- EVP statement: 会社の「なぜ」を明確かつ簡素化した声明文
- EVP mindsets: 望ましい従業員体験を実現するための重要な信念
- EVP behaviours: EVPマインドセットに基づき、より具体化したもの。企業の価値観を含んだ組織全体での望ましい行動
- EVP enablers: EVPマインドセットに基づいた行動を実現するための具体的な方針、制度、施策、プログラム
- EVP outcomes: EVPが生み出す組織文化と活き活きとした従業員体験
【EVPと他の概念との違い / 関連性】
パーパス・ミッション・バリューなどとEVPは違うのでしょうか?
パーパス・ミッション・バリューは、会社から従業員への重要なメッセージであり指針です。EVPはこれらを無視して策定することはできません、EVPのインプットとなるべき情報の一つです。これらの概念はEVPと互いに影響を与え合う概念です。
EVPとEmployee Experience(EX)は違うのでしょうか?
EXは、EVPが効果的に策定され、マインドセットや行動、施策に適切に反映された結果といえます。